デュピクセント注射を忘れた。
心 待ちで仕方がなかった2週間に一度の自己注射の日をすっかり忘れていた。 注射後の注射器をしまう専用袋に注射した日を書いているのを確認して、その日が過ぎてしまったことを知った。 一日一回飲む怠くなるだけの薬を飲み込む朝が待ち遠しくて、夜中に目が覚めたベッドで息を殺して縮こまっていた日々。 唯一肌が落ち着くお風呂上がりの数分間が救いだった日。 デュピクセントにであって、3ヶ月で飲み薬を卒業できた。 8月の受信時に「注射今のでやめてみる?」と聞かれ途端に不安になって返事ができなかったけど、たぶん、きっと、「もういいです」ということになると思う。 体が薬を忘れる。 そんなこと今までもなかったようにある日突然記憶から消えるように病いが離れていく。 この20年病いのせいにして逃げてきたこともたくさんあった。 不器用な私に逃げ道を作ってくれていたのが病いだった。 病いのおかげでやりたくないことをやらないという選択肢を選ぶことを知った。 やりたいことをやりたいといえるようになった。 冷蔵庫に保管されたデュピクセントはあと一本。 毎度針が自分の皮膚を破る瞬間が気持ち悪くて勇気がいった。 痛くはないのだけど、なんとも嫌な感触だった。 濃度の濃い液は、そう易々と体内に注入できず、何度も息が止まる。止まっているのにきがついて慌てて息を吐く。ほとんど動いていないような自分の指を眺めながら、「早く終われ、終われ!」と気が焦った。 魔法のような薬に出会え、諦めていたこと、モノが手に入るようになった。 さて、これから何をしようか。 2020.9.11現在